病院を選ぶように、薬局も選んで下さい

BCAA

 「トレーニングをする人に」「運動の前後に」。そんなキャッチフレーズがついたアミノ酸配合のサプリメントや飲料をよく見かけます。正直なところ、お世辞にも「おいしい」とは言えない商品もあるようですが、そういった商品には、BCAAが含まれていることも少なくありません。

 BCAAとは「分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acid)」のこと。文字通り、枝分かれをしているような構造をもつアミノ酸のことで、具体的には、バリン、ロイシン、イソロイシンの3つを指します。
 アミノ酸には、この3つ以外にも多くの種類があり、それらがさまざまに組み合わされてタンパク質となり、私たちのからだをつくっています。 その中でBCAAに注目が集まっているのは、BCAAが筋肉に多く存在し、筋肉がつくられるために欠かせない存在であることが明らかになったため。運動によって筋肉が傷ついたり、分解したりするのを防ぎ、筋肉の疲労回復に役立つともいわれています。
 もちろん、BCAAを摂るだけで筋肉がつくということではなく、合わせて、適度な運動を行うことが不可欠。近道がないのは、仕事でも、ダイエットでも同じですね・・・。
 また、BCAAだけ、あるいは、BCAA中のいずれかのアミノ酸だけを極端に多く摂るといった状態が長く続くと、他のアミノ酸とのバランスが崩れるおそれがあります。そうなると、からだに必要なタンパク質が十分につくられなくなり、健康を損なってしまうことも考えられます。
 ずらりと並んだサプリメントを見ていると、どうしても、「BCAA3600r」「BCAA4000r」といった配合量の多いものに目が行きがちですが、量だけではなく、どんな成分が入っているのか、そのバランスはどうかといった点にも注意するようにしましょう。
 パーキンソン病の治療に用いられるレボドパという薬は、タンパク質を多く含む食事を摂った後にのむと、吸収されにくくなることが知られています。このような性質をもつ薬剤は他にもいくつかありますから、服用中の薬がある方で、BCAAなどのアミノ酸を含むサプリメント、プロテインなどを日常的に摂っている場合は、念のため、医師・薬剤師にお知らせ下さい。

 アミノ酸の中には、グルタミン酸のようにうま味をもつものもあるのですが、BCAAの3つはいずれも苦い・・・。メーカーの方はいろいろ苦心されていらっしゃるようですが、あの微妙な味は、BCAA本来の味によるところが大きいのです。