ギムネマ

 あけましておめでとうございます。今年こそダイエットを目指す私が、ドラッグストアをのぞいたとき、ギムネマ酸のサプリメントにこんなキャッチコピーがついていました、「甘いものがやめられないあなたに」「食べ過ぎちゃっても大丈夫!」。ギムネマ酸はダイエットの切り札になるのでしょうか。ギムネマをとれば甘いものは止められるのでしょうか・・・。

風邪をひいたときの食事。鼻がつまって味がよくわからず、何を食べても砂をかむような味気なさに、風邪の症状以上に、気が滅入ってしまった経験はありませんか。味がちゃんとわからなければ、食欲だってなくなりますよね。

 そんな味覚を、一時的に変化させてしまう植物があります。最近では、すっぱいものを甘く感じさせるミラクルフルーツ(西アフリカ原産の果物)や、水を甘く感じさせるクルグリゴ(マレーシア原産の果物)なども知られるようになりました。美味しく感じる味覚の変化。これも魅惑的ですが、今回紹介するギムネマ酸は、甘味を感じなくしてしまう不思議な成分なのです。
 ギムネマ・シルベスタは、インド原産、ガガイモ科の植物。その主成分のギムネマ酸は、舌の表面にある甘味を感じる受容体をふさぐことによって、甘味を感じにくくするといわれています。
 しかし、ギムネマ酸の作用はこれだけではありません。腸での糖の吸収を抑え、血糖値の上昇を抑制するともいわれています。インドでは2000年以上も前から糖尿病の民間薬として用いられていたとされ、人間と糖尿病の切っても切れない長い関係にも驚かされますね。この作用については、「効果あり」とするデータも見受けられますが、まだまだ科学的な検討が必要なようです。

 「肥満がちょっと気になる」「血糖値が少し高いと言われた」という程度であればよいのですが、血糖値を下げる薬を服用している、インスリンの注射をしているなど、すでに糖尿病の治療を受けている方は、使用を避けましょう。
 少しでも効果を上げようと、薬とギムネマ酸を併用すると、血糖値が下がりすぎ、低血糖を引き起こすおそれがあります。また、薬はなんとなく怖いけど、植物だから安心だろうと、自分の判断だけで薬からサプリメントに切り替えると、血糖値が十分にコントロールできなくなったり、症状が悪化したりすることも考えられます。まずは、今の治療をきちんと続けること。どうしても試してみたい場合には、医師や薬剤師と相談の上で。
 甘いものを食べても美味しくない、糖の吸収も抑えられる。ダイエット目的に飛びつきたくなる気もしますが、そこには意志の力も必要なようで、個人差が大きいようです。やはりダイエットに王道はないようです。