クレアチン

 プロテイン、マルチビタミン、コエンザイムQ10、カルシウム・・・あるテレビ番組で、「筋肉芸人」と呼ばれるタレントさんが、いつも摂っているというサプリメントを紹介していました。こんなにいろいろ摂ったら、からだに悪いんじゃないの?と心配になるくらいの、種類と量。その中に、ちらっと映っていたのが、クレアチンでした。

 クレアチンは、肉や魚などの動物性食品に多く含まれるアミノ酸の仲間。私たちの体内でも合成されており、体重70kgの人では、約120g(バナナ1本分くらい)のクレアチンを持っているといわれます。
 そのうちの9割以上は、筋肉中に存在。その大部分は、リン酸化されてクレアチンリン酸となり、さらに脱リン酸化反応を受けてリン酸基を生じます。これが、筋肉が収縮するときのエネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)の合成に利用されます。こうしたことから、クレアチンは、筋力アップによい、疲労回復を助けるなどといわれ、人気となっているようです。
 実際の“有効性”については、「よい結果が得られた」「変わらなかった」など、現状では、一定の結果は得られていませんが、年齢の高い人よりも若い人で、持久力を要する運動よりも短時間の激しい運動をする人で、メリットを得られやすい傾向があるとの指摘があります。また、継続して摂取するよりも、短期間に集中して摂ったほうがよいともいわれています。
 クレアチンは、体内で代謝されるとクレアチニンとなります。クレアチニンは、腎機能を検査するときの指標としても利用される物質ですが、これ自体が、腎機能に影響を及ぼすこともあるため、腎臓が悪い人は、クレアチンの摂取は避けたほうがよいとされています。健康な人でも、大量・長期の摂取は避けましょう。
 薬剤や他のサプリメントの中には、腎機能を悪化させることが知られているものもあります。併用によってその副作用が出やすくなるおそれもありますので、いつも使用しているものがある場合は、医師や薬剤師に必ず相談を。肝疾患、糖尿病、心臓病、喘息などの病気がある人も注意が必要といわれています。
 さらに、カフェインは、クレアチンの作用を弱めるとの報告もあります。からだを鍛えたい人は、カフェインの入った飲食物は控えたほうがいいのかもしれません。

 オリンピックも間近。鍛え上げられたアスリートのからだを目にする機会も多く、あそこまでは望まないとしても、何とかしたくなりますね、緊張感のない自分のからだ・・・。