アセロラ

 最近、人気の観光スポットの一つ、沖縄。美ら海水族館。ゴールデンウィークを利用して行く計画を立てている方も多いでしょう。美ら海水族館があるのは、沖縄県本部町(もとぶちょう)。日本一早い桜祭りやカツオ漁などでも知られるところですが、アセロラも特産品の一つです。

アセロラは、カリブ海沿岸が原産の植物。中南米や西インド諸島で栽培されていますが、ニチレイが「アセロラドリンク」を本格的に発売して以来、日本でも広く知られるようになりました。
果皮が薄いアセロラは、傷つきやすく、収穫するとすぐに傷み始めてしまいます。そのため、日本(産地以外)では生でアセロラを食べることは難しいのですが、冷凍技術が進歩したおかげで、ジュースやゼリーなどの加工食品として味わうことができるようになりました。

南国生まれのアセロラは、強い紫外線からその身を守るため、抗酸化作用のあるビタミンCやβ‐カロテンを豊富に含んでいます。特にビタミンCは、アセロラ100g中に1700mg。同じ重さのいちごは62mg、レモンは100mg程度ですから、その多さがわかります。
ビタミンCには、皮膚や粘膜を健康に保つ、免疫機能を高める、ストレスを軽減するなど、さまざまな働きがあるといわれています。メラニンの生成を抑える、黒色メラニンを淡色化するともいわれ、これからの季節、日焼け後のしみ・そばかすの予防にビタミンCを摂ろうとお考えの方もいるでしょう。
でも、たくさん摂ったからといって、よい結果が得られるわけではありません。水溶性のため、体内には蓄積されませんから、過剰症の心配は少ないのですが、一度に大量摂取すると下痢や吐き気などが起きることがあります。ビタミンCの摂りすぎは筋肉の疲労回復を妨げるという最近の報告もありますから、毎日こまめに、コンスタントに摂るようにしましょう。

また、アスピリン(解熱鎮痛薬・血小板凝集浴製薬)やアセタゾラミド(利尿薬・緑内障治療薬)などの作用や吸収に影響を及ぼすことも考えられます。通常の食事の中で食べたり、飲んだりする程度であれば問題はないと思われますが、服用中の薬がある場合は、念のため、医師・薬剤師に相談して下さい。

この5月、本部町は、アセロラの収穫の時期を迎えます。5月12日は、同町が制定した「アセロラの日」。この町の人たちは、愛情を込めて「アセローラ」と呼んでいるそうです。あかるくあたたかで、やさしい響きですよね。