アカガウクルア(ソフォン)

 今年10月16日に急逝した元ザ・フォーク・クルセダーズで音楽家の加藤和彦さんのお別れ会『KKミーティング』が10日、都内ホテルで行われたとのこと。自ら命を絶ってしまう、うつ病の怖さを思わずにはいられません。ザ・フォーク・クルセダーズ、このグループや加藤和彦さんが次々に世に送り出してきた歌。その歌を聞くと中学・高校時代の思い出がよみがえってきます。若く、なんにでも一所懸命だった時代。なんだか自分自身の老いを感じてしまいます。


 アカガウクルア、この聞きなれないサプリメントは、インド及びタイ国メコン川流域の落葉樹林帯に自生するマメ科胡蝶亜科に属する熱帯植物で、学名はブテア・スペルバ、和名はツルハナモツヤクノキ。ソフォンとも呼ばれます。20歳前後を境に加齢とともに減るデヒドロエピアンドロステロン(男女の性ホルモンの前駆体)の分泌促進作用があることや、性的興奮を維持する作用があることから、強壮、強精、ED(勃起障害)やアンチエイジングなどを謳ったサプリメントに含まれています。また、糖尿病予防や血液サラサラ効果による動脈硬化予防にもと、作用を期待して使用されることがあるようです。

 気をつけなければならないのは、性的興奮を維持する作用機序は、バイアグラと同じだとされています。PDE-5(ホスホジエステラーゼ-5)という酵素の働きをおさえることによってもたらされます。バイアグラとの併用はもちろんのこと、狭心症などの薬を服用中の方や、降圧薬を服用中の方もその使用は避けたほうがよいでしょう。

 また、性ホルモンへの影響もあるのですから、ホルモン療法を行っている場合は摂取を避けるべきでしょう。性的な機能の低下は、時として、仕事や日常生活などに関係する様々な自信をも喪失させてしまうかもしれません。そこに生活習慣病が重なってくる。薬やサプリメントの併用をすることがあるかも知れませんが、生活習慣病の薬と、アンチエージングサプリとの相互作用。注意が必要です。


 人は、思い出を抱きながら、今を、そして未来を生きていきます。決して過去に戻ることはできません。これから年をとっていくだけです。今が、一番若い。だからこそ、生活習慣病の予防も、アンチエイジングも若返ることではなく、いかに未来の自分を大切にして生きるかということではないでしょうか。無理な見せかけだけの若返りは、やはり慎重でありたいと思います。「あの素晴らしい愛をもう一度」同じ時代を共有した人たちと、今、一緒に歌えば、心と心がかよいあえるように思えます。