コレウスフォルスコリ

 鮮やかなピンクの花柄―今年は、こんな水着が人気だそうです。水着売り場では、あっちからもこっちからも「かわいい!」という声が。でも、かわいくないのが、このお腹、二の腕・・・。なんだか漢方薬のテレビのCMが目に浮かんできます。今すぐ痩せたい!そんな切実な声も聞こえてくるようですが。ダイエットの王道はありません。

それにしてもダイエッ・サプリメントの多さには驚かされます。さまざまなものがある中で、比較的安定した人気を保っているものの一つが、コレウス・フォルスコリです。「そんなの知らない」という人も、「フォースリーン」という名前ならご存知かもしれません。コレウス・フォルスコリの抽出物のことで、登録商標、商品名にもなっています。

コレウス・フォルスコリは、インドやネパール、タイなどの亜熱帯地方に自生するシソ科の植物。その根は、滋養強壮のために食用とされたり、心臓疾患や喘息の民間薬として用いられたり、古くからいろいろな場面で利用されてきました。 コレウスには多くの種類がありますが、フォルスコリンという成分を豊富に含むことが確認されているのは、今のところ、コレウス・フォルスコリだけ。
フォルスコリンには、心臓の筋肉(心筋)に働きかけてその収縮力を強める一方、血管をつくっている筋肉(平滑筋)の緊張をゆるめるなどの作用があるとされ、心臓の働きを活発にする、血圧を下げるといった"効果"も期待されています。

さらにラットなどの細胞を使った実験では、脂肪組織中のホルモン感受性リパーゼの働きを助け、脂肪の分解を促進することも示され、その作用は用量依存的(量が多くなるほど作用が強くなる)ともいわれています。実際にヒトが摂取した実験では、除脂肪体重はわずかしか減らなかったのに体重は減った(つまり、体脂肪量が主に減った)という結果も報告されています。
理想的!とも思えますが、心臓や血圧など、循環器系に何らかの影響を及ぼすことも考えられます。カルシウム拮抗薬(降圧薬)や硝酸薬(狭心症治療薬)、強心作用をもつ薬剤などと併用すると、同じような作用が重なるため、副作用が生じやすくなるおそれがあります。治療中の病気がある方は、必ず、摂取前に医師・薬剤師に相談して下さい。用量依存性と書きましたが、早く痩せたいからたくさん摂る、なんてことは、くれぐれもなさらないように。頑張りすぎは、いいことがありませんよ。

ダイエットは無理なく、ゆっくり、マイペースで。繰り返しになりますが、ダイエットに王道はありません。